1: 小豆大福 2018/01/02(火) 13:45:29.56 ID:CAP_USER9.net
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「今、コープさんで○○が安いで」「ほんま? ほなコープさん行ってくるわ」-。生活協同組合コープこうべ。言わずと知れた、神戸市東灘区に本拠を置く生活協同組合だが、年配を中心に神戸の人は「コープさん」「生協さん」と敬称で呼ぶ。流通最大手イオンも、神戸発祥のダイエーも「さん」付けにはしないのに。なぜか、コープこうべだけが「コープさん」なのだ。

 全国どこにでもある生協だが、コープこうべの広報担当者も「『さん』と敬称を付けた呼び方は、他の地域の人から珍しがられる」と打ち明ける。

 どういう心理があるのか、コープで買い物中の主婦に尋ねてみた。「地域の組織として昔からあるし、他のスーパーより身近な存在。だから『コープさん』になるのかな」とは灘区の女性(68)。市内だけで64店舗。まるで知り合いか友人のように呼ぶのは、消費者との距離の近さが要因の一つのよう。

 各家庭に商品を届けるオリジナルの宅配サービスが理由という説も。顔なじみのスタッフが、食品や日用品を届けてくれる「顔の見える関係」はコープの強み。灘区の女性(77)は「毎週家まで宅配してくれるでしょ。届けに来てくれる人への親しみを込めて」と愛着を語る。別の30代女性は、店に買い物に行く時は「コープ」、宅配に来てもらう時は「コープさん」と使い分けるというから面白い。

 だが、神戸にはほかにも多くの店舗を構え、宅配もするスーパーはある。親しみの遠因に挙げられるのが、コープこうべの成り立ちだ。「1921(大正10)年から続く歴史の長さが関係するのだと思います」。コープこうべ広報室の金田宏樹さん(40)は話す。

 約100年前にさかのぼる。「生協の父」として知られる社会運動家・賀川豊彦の指導で、コープこうべの前身にあたる神戸購買組合、灘購買組合が誕生。第1次世界大戦後の労働者の生活安定を目指し、組合員が出資し合うことで必要な食材などを手に入れやすくした。実際、東灘区の女性組合員(75)は「賀川さんへの信頼を込めて呼ぶ人もいる」と話す。

 また、組合と同時に始まったのが、組合員の自宅を1軒1軒訪ねて歩く「御用聞き」。現在の宅配サービスの元祖で、朝に各家庭で必要な物を聞いて回り、晩ご飯を支度する夕方ごろには届けに来た。

 毎日自転車でやって来て、ときには無駄話をして帰って行く。その人たちは「購買さん」と呼ばれた。広報室の金田さんは「『コープさん』と呼ぶのは、その時の名残なのかもしれません」と教えてくれた。当時の自転車は、今はトラックと青いかごに姿を変え、街を走る。商売の枠を超えて、地域と暮らしに寄り添う。コープに対する敬称はその姿への共感とも映る。

 「コープさん」の呼び名について、武庫川女子大(西宮市)の言語文化研究所の研究員佐竹秀雄さん(70)は「大阪の人があめを『あめちゃん』と呼ぶ現象と似ているが、少し違う」と指摘。「どちらかと言うと、神社を『天神さん』『生田さん』と呼ぶような感覚で、親しみと敬意が込められているのでは」と分析した。(勝浦美香)

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 外から見ると不思議だけど、神戸っ子なら当たり前? 昨年夏に続き、神戸に根付くモノやルールを紹介します。

 【コープこうべ】組合員数は約169万人で、全国3番目の規模の生活協同組合。兵庫県全域と大阪府北部、京都府京丹後市などに161店舗。店舗販売以外に、カタログで注文し、個人宅まで商品を届ける「こはい」、店舗受け取りの「めーむひろば」も展開する。2017年11月の組合加入率は兵庫県で約62%、神戸市は約67%。16年度の売上高は2389億7300万円。

配信2018/1/1 05:30
神戸新聞NEXT
https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/201801/0010861395.shtml

引用元: ・【生協】「ほなコープさん行ってくるわ」 神戸っ子、コープだけなぜか「さん」付け

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